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通気君見参!
本当に暑い日が続きます。このところ風も弱まり尚暑い!!!
先日のブログの中で屋根の温度の事を記載したのですが、実際にサーモカメラを
使って測ってみました!普段は断熱の欠損や冷気漏れの調査に使用しています。
実際には屋根の表面温度は80度近かったです。黄色いところが温度が高い部分です。
紫色のところは屋根が重なっているところなので多少低くなっています。
20度もサバを読んでしまい屋根屋さん、すいません。素足であれば普通に火傷する温度ですね。
これは室内側から撮影した画像です。まだ、断熱材の施工をしていない状況です。
1F部はほぼ外気温と同じ33℃。2Fは一番熱い野地板の裏側で45℃くらいほぼ10℃違います。
それでも表面温度と比べればだいぶ下がっているのは木材の断熱性と屋根材裏側の断熱材が寄与しているものと考えられます。
折角なので簡単に家の通気、断熱について記載したいと思います。
今回の住宅は大きな吹き抜けを持つ、勾配天井となります。つまり平天井とは違い屋根断熱となります。
そこで登場するのが、『通気君!!!』
一見だだのダンボールですが、(触ってみてもただのダンボールですが)非常に大切な役割をもった部材です。
上記のように軒先から取り入れた空気を屋根のテッペン方向に流し、棟に設置された換気部材のところで外部に排出します。
この空気の流れを一方方向にある程度強制的にコントロールする必要があります。
そこで垂木の間に通気君をはめ込んでいきます。そうすることで野地板との間に約3センチほどの通気層 を取ることができます。
(画像上が野地板です)通気層があまり広すぎても今度は空気が対流したり、留まってしまいます。
この通気層は家に入り込んだ湿気を外に逃がすとても大切な役割をもちます。通気君は透湿性のある素材なので湿気の排出も妨げません。
この上から断熱材を施工します。断熱の施工については後日改めて記載したいと思いますが、湿気を取り込まないようにきちんと
防湿層を形成する必要があります。家の耐久性は湿度と大きく関わっています。生活をすれば家の中から必ず水蒸気が発生
し、木材からも、人そのものからも水蒸気は発生します。侵入した湿気、これを外側へ逃がす必要があります。
断熱はただ、厚い、密度のある断熱材を押し込めばよいわけではありません。閉じ込められた湿気の逃げ場が無く留まると
結露等を引き起こし建物の躯体そのものを傷めることになりかねません。
また、断熱材は湿気を吸うと著しくその性能は低下します。
断熱材に限らずですが、きちんとその建材が持つ性能が発揮できる環境をつくらなければなりません。
通気を取る方法については二重野地にするなど様々あります。施工する会社さんの考え方や施工コストなども考慮する必要が
ありますが、仕上がると見えなくなってしまうところですので施工する側がきちんと管理する必要があるところです。
外壁に胴縁などで通気層を設ける事も同じ理屈です。
ちなみに上の画像は今年の5月まで施工させていただいた改修工事現場です。バルコニーを支える柱ですが、サイディングを柱に直留めして
いた為、湿気により柱の下部約30㎝ほどがなくなっていました。サイディングだけで持っていたことになりますね。。。
木は多少濡れても空気に触れて乾く環境であれば腐りません。この多湿な日本では湿度対策、防湿 通気の考え方は非常に大切です。
ひたすら折ってはめ込むという大変地味な単純作業ですが、40℃の中での作業はなかなか痺れます。
まだ、時間がありますのでボチボチやっていきましょう。
また、更新します。